ちょこっと発見、宝石の話

色々な宝石をご紹介しているブログです。宝石について何かちょこっとでも発見していって頂けたら嬉しいです。

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宝石&鉱物を知りたい・楽しみたい時におすすめの本

こんにちは。

 

今回は、宝石&鉱物を知りたい・楽しみたい時におすすめの本のご紹介です。

 

 

 

楽しい鉱物図鑑

 

こちらの本は、全ての宝石好き・鉱物好きのバイブルではないかと思います。宝石ではなく鉱物の図鑑ですが、宝石が宝石として研磨を施される以前の、原石の写真が沢山載っています。
本の大きさはA5くらいのサイズで、基本的に1頁に1鉱物ずつ、原石の写真とともに解説があります。大体は頁の上半分が写真・下半分が解説というレイアウトになっています。

 

写真は原石のもの

研磨されたルースの写真はありませんが、ルースを辿った先にある原石の姿は興味深いです。こういった状態からカット・研磨されていき、ジュエリーになっていくんだなあと感心します。通常、宝石質の結晶は宝飾用に研磨される為、鉱物標本として出回るものは結晶が宝飾用ほど綺麗ではありません。でもこの本に載っている原石は、美しいものも多くあります。図鑑ですから、写真を見ているだけでも楽しめます。

 

解説の内容

解説部分は、鉱物によって様々なことが書かれています。例えば名前の由来が書いてある鉱物がありますが、書いていない鉱物もあります。共通した解説項目を並べているのではなく、それぞれの特徴的なことを解説してくれています。共通項目は化学組成式や硬度、主な産地などです。各頁の最下部に小さめの字で記載されています。本文の文字も結構細かく情報が詰まっている為、一つ一つの鉱物について知識が深まります。成分の話も多々あって難しく感じる時もありますが、ずっと難しい内容が続く訳ではないので、よく分からなくてもそのまま読み進められます。説明が上手くて読みやすいんですね。

 

楽しい鉱物図鑑 [ 堀秀道 ]

 

愛蔵版が出ています

 

楽しい鉱物図鑑は1巻と2巻があるのですが、それぞれ発行が1992年と1997年で、20年以上前になります。1巻の方は今も新品が手に入りますが、2巻は中古品が多く、新品の入手が難しくなっているようです。どうしたものかと探していたら、なんと1巻と2巻をまとめた愛蔵版が昨年末に発売されていました。

本のサイズがA5からB5に大きくなり、1・2巻の合本なので大ボリュームになっています。こちらの愛蔵版は2019年12月発売ですので、新品が容易に手に入ります。

 

サンプル頁などを見ましたが、内容(写真・解説)は元の1・2巻の頁がそのまま入っている感じですね。しかし愛蔵版の説明にもあるように、解説文の細かいところが修正されています。例えば石英の解説でローズクォーツの色の話が書かれていますが、1巻では色の原因はチタンの混入(塊状)とあります。愛蔵版では、デュモルチェ石のインクルージョンによる色とされている(塊状)となっています。現在の新しい情報に差し替えられているんですね。

 

今から本を手に取るのであれば、やはり情報が更新されている愛蔵版が良いと思います。1冊で全て事足りますので、非常におすすめです。

 

愛蔵版 楽しい鉱物図鑑 [ 堀 秀道 ]

 

おすすめしづらい点があるとすればただ一つ、値段が高いことです。2冊分+サイズが大きくなった+情報のアップデートで、元々の2冊分の合計より高くなっています。勿論それだけの価値は十分にある素晴らしい本ですから、予算の都合がつく場合には是非読んで頂きたい一冊です。

 

迷ったときは

そうは言っても安くはないので、やっぱり愛蔵版は手を出しにくいな、と感じる人もいるかと思います。そんな時は、最初にご紹介した「楽しい鉱物図鑑」(1巻)をおすすめします。主要な鉱物は大体載っていますし、基本的な情報は変わらないと思います。試しに鉱物の本を一つ、という時には最適な本です。

 

 

中古でも気にならないのであれば、1・2巻とも中古でお安く入手するのもありですね。2巻にも主要な鉱物なら載っていますが、1巻とダブっている訳ではありません。1巻で紹介されなかったものが解説されています。石英で言うと、1巻ではロッククリスタル及びアメジストローズクォーツの写真、2巻では山入水晶やハーキマーダイヤモンドの写真が載っています(解説含む)。

 

終わりに

楽しい鉱物図鑑は、初心者にも上級者にも役立ち、楽しめます。宝石や鉱物のことが知りたくなったら、まずはこの本を手に取ってみてください。