ちょこっと発見、宝石の話

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青い宝石ラズライトは二種類ある?天藍石はLの方のラズライト

こんにちは。
今回ご紹介する宝石は、ラズライトです。

 

ラズライト

 

ラズライト(Lazulite)
和名 天藍石(てんらんせき)
鉱物名 ラズライト
硬度 5.5-6
靭性 -
劈開 なし
色 青、緑など
産地 ブラジル、パキスタンなど

 

 

ラズライトの名前

ラズライトは海のような青色が美しい宝石です。名前の由来も、青い石を意味するドイツ語からきていると言われています。和名にも藍色の字が使われていますね。石にぴったりの綺麗な名前です。

 

ラズライト命名は1795年、ドイツの化学者マルティン・ハインリヒ・クラプロート(Martin Heinrich Klaproth)によって名付けられました。このクラプロートは著名な化学者で、1789年にウラン(U)を発見した人物でもあります。宝石を探すと化学組成もよく記載されている為、宝石って科学なんだなと思ってはいましたが、凄い人に名付けられていることもあるんですね。

 

ラズライトは英語でLazuliteと書くのですが、同じラズライトという読み方でLazuriteと書く鉱物もあります。違いは真ん中辺りのLとRです。Rの方のラズライトの和名は青金石(せいきんせき)です。青金石はラピスラズリという宝石の主成分の鉱物です。青い部分のことですね。ラピスラズリは12月の誕生石ですので、どちらかと言うと天藍石より青金石のほうが有名な印象です。

 

和名だと全然違うのに英語だと一文字しか違わず、日本語での発音が全く同じである為、この二つのラズライトはよく混同されています。どちらも青い石なので、余計に間違えやすくなっているんですね。検索の際には和名を足すと希望する石の情報が出てきますが、情報元が天藍石と青金石を取り違えている場合もありますので、ちょっと注意が必要です。

 

ラズライト

 

Lの方のラズライトの特徴

今回のLの方のラズライトは、多色性が強い宝石です。多色性とは一つの宝石の中で見る方向の違いにより、色が変わって見える性質のことです。ある方向からは青色、違う方向からは無色に見えるといった具合です。どこから見ると色が変わるか、どの程度・どんな色に変わるかは個体差があります。

 

多色性の強い宝石の場合は大抵、発色の良い方向が正面になるようにカットされます。ラズライトで言うと正面からが青く、横からが別の色に見えるようにということですね。しかしラズライトは希少宝石の為、なかなか思うように美しい青色を正面に持ってこられない場合も多くあります。ラズライトの原石は小さいサイズばかりなので、代表的で人気の高い青色を正面にすることだけを考えてカットすると、もの凄く小さいルースになってしまったりします。もしくは大きさが足りず、カット自体できないかもしれません。ですので、本当に綺麗に正面から青色が見えるルースに出会えたら、奇跡だと思います。

 

ラズライトの色

著名な色は青なのですが、真っ青なラズライトは滅多に見かけません。少し緑の入ったグリーンブルー、または青みがかったブルーグリーンなど、緑色が混ざることが多いですね。それらも綺麗で素敵ですが、やはり「ラズライトと言えばこれ」という真っ青なラズライトのルースに出会ってみたいものです。美しい青の希少石ラズライトを知った方は、きっと私と同じようにそう思うのではないでしょうか。

 

そんな時の為に、朗報を用意しておきました。思い出してください。ラズライトは多色性の強い宝石です。たとえ正面からが緑色でも、ちょっと傾けただけでは黄色にしか変わらなくても。全方向から眺め回すことにより、一瞬キラリと真っ青なラズライトが現れることもあります。これ、めちゃくちゃ感動します。もしラズライトを入手したら、ぱっと見がどんな色であろうと、とにかく色んな方向から眺め回してみてください。とびきり美しい姿を見せてくれるかもしれません。


多色性の宝石というのは本当に面白くて、個体によっても全然違うんですよね。青緑と真っ青の二色しか分からないようなものや(しかも色が似てるから多色性を見逃しやすい)、何故かいっぺんに二~三色見えているものなど(これってバイカラー?でも別の方向から見ると一色に見えたりするので、やっぱり多色性のせいかなと思います)、様々です。それこそバイカラーの宝石のように千差万別、同じものは二度とないのだろうなと思います。そういうオリジナリティって、素敵ですよね。

 

ラズライトの取説

ラズライトの注意点は、硬度が低いところです。ジュエリーとしては硬度が7以上あるのが望ましいとされる為、取り扱いには少し注意が必要です。硬度とは宝石を擦り合わせた時に、傷がつきやすいかどうかを表す値です。空気中のほこりには硬度7の石英(せきえい)が多く含まれている為、それより硬度が低いラズライトは日常使いで傷がつきやすいんですね。

 

水や紫外線に対しては心配ありませんが、硬いものに擦れたりしないようにお気をつけください。

 

ラズライトの意味(石言葉)

ラズライトの意味(石言葉)を、厳選して三つご紹介します。

 

・静寂
・直観力
・ひらめき

 

終わりに

海の色のラズライト
少しでも興味を持って頂けたら嬉しく思います。