ちょこっと発見、宝石の話

色々な宝石をご紹介しているブログです。宝石について何かちょこっとでも発見していって頂けたら嬉しいです。

MENU

誰が見ても薔薇のよう 魅力的な宝石ロードクロサイトについて

こんにちは。
今回ご紹介する宝石は、ロードクロサイトです。

 

ロードクロサイト

 

ロードクロサイト(Rhodochrosite)
和名 菱マンガン鉱(りょうまんがんこう)
鉱物名 ロードクロサイ
硬度 3.5-4
靭性 -
劈開 完全
色 赤、ピンクなど
産地 米国、中国、南アフリカ、アルゼンチン、日本など

 

 

特別なスイートホーム産

ロードクロサイトは米国三大希少石の一つです。赤~ピンクの薔薇色が可愛らしい宝石です。

 

ロードクロサイトは内包物や不純物の多い石で、すっきり透明なものはなかなかありません。そんな中、米国のコロラド州スイートホーム産のロードクロサイトは、クリアでオレンジがかったピンクレッドの美しいものが産出します。この色は他の産地では見られない特徴的な色で、スイートホーム産はトップブランドとなっています。スイートホームは場所の名前ですが、何となく響きがロードクロサイトに似合っていますね。

 

しかしながら鉱山は2004年に閉山しており、スイートホーム産の流通量はどんどん少なくなっているようです。ちょっと前までは、スイートホーム産の良質なものが少ないという印象でした。でも今は、スイートホーム産が少ないと感じます。


ですが最近、そのスイートホーム鉱山が採掘を再開したとの情報がありました。その後の詳細については情報が出てこないのですが、新しく採掘した美しいロードクロサイトが流通するのを期待しているところです。

 

国産、その他の産地

ロードクロサイトは日本でも採れます。日本では北海道産が有名です。光が透ける半透明の、ピンクがかった可愛い赤色です。模様のように白いラインが入っていることも多く、半透明~不透明なロードクロサイトの特徴です。半透明な中でも透明度の高いものがあり、そうした個体は特に人気があります。国産浪漫はやはり強いですね。

 

現在の流通としては、南アフリカ産をよく見かけます。透明度の高い、美しいロードクロサイトが多くあります。色味はスイートホーム産に比べてオレンジの強い赤色です。ピンクっぽさはあまりありません。スイートホーム産は赤色が濃くても、ピンク色を感じます。南アフリカ産は鮮烈な赤なので、とても華やかな印象です。

 

インカの薔薇

ロードクロサイトはインカローズとも言われます。これは古代インカ帝国が栄えた地域で多く産出されたことから、「インカの薔薇」という意味で呼ばれています。ロードクロサイトの可愛い赤色は、昔から薔薇色と表現されていたのですね。現在もアルゼンチン産は有名です。アルゼンチン産のものは不透明~半透明が多いです。

 

ロードクロサイトのロード(rhodes)も、ギリシャ語で薔薇を意味しています。インカローズの名前の方がよく知られていますが、宝石名はロードクロサイトです。

 

ロードクロサイト

 

ロードクロサイトの取説

ロードクロサイトは硬度が低い為、扱いには注意が必要です。硬度とは、擦り合わせた時に傷がつきやすいかどうかを表す値です。一般に硬度は7以上あると安心です。これは空気中のほこりに硬度7の石英(せきえい)が多く含まれているからです。それ以下の硬度だと、日常使いの際に傷がつきやすくなってしまいます。劈開(へきかい)も完全となっていますので、衝撃に弱い石ということになります。大切なロードクロサイトの取り扱いには、十分ご注意ください。

 

ロードクロサイトの注意点はもう一つ、紫外線によって色が退色すると言われていることです。日常使い程度なら問題ないと思いますが、長時間紫外線にさらすことのないようにお気をつけください。

 

ロードクロサイトの意味(石言葉)

ロードクロサイトの意味(石言葉)を、厳選して三つご紹介します。

 

・愛情
・癒し
・情熱

 

終わりに

薔薇色の美しいロードクロサイト。
少しでも興味を持って頂けたら嬉しく思います。