よくある宝石のデータ項目の解説
こんにちは。
今回ご紹介するのは、宝石のデータ項目についてです。
以下のデータ部分はサファイアのものです。参考までに。
1.宝石名 サファイア
2.鉱物名 コランダム
3.屈折率 1.76-1.77
4.多色性 あり
5.比重 3.95-4.4
6.蛍光性 個体による
7.硬度 9
8.靭性 8
9.劈開 なし
10.重量【ct(カラット)】 個体による
11.結晶系 六方晶系
1.宝石名
宝石の名前です。
宝石とは大抵、鉱物の中で宝石質のものを指します。宝石質の鉱物に、鉱物名とは別に名前がつくと宝石名になります。特に別名がなく、鉱物名そのままのこともよくあります。
2.鉱物名
鉱物の名前です。
鉱物とは、自然に生成された結晶質の固体物質のことです。鉱物の種類は含まれる成分によって分けられます。
3.屈折率
空気中から宝石内部に入った光が、内部で折れ曲がることを屈折と言います。この屈折の程度を表す値が屈折率です。
屈折率が高い宝石ほど、光を多く反射してよく輝きます。
4.多色性
一つの宝石の中で見る方向の違いにより、色が変わって見える性質のことです。ある方向からは青色、違う方向からは無色に見えるといった具合です。
5.比重
宝石の重さと、その宝石と同じ体積の水の重さとの比を表します。値が大きいほど重いことになります。比重の値が違えば、大きさが同じでも重さが変わってきます。
6.蛍光性
宝石に紫外線を当てた時、蛍光する性質のことです。
7.硬度
宝石を擦り合わせた時に、傷がつきやすいかどうかを表す値です。ダイヤモンドとサファイアを擦り合わせるとサファイアに傷がつく為、ダイヤモンドの方が硬いということになります。
この方法で測定された硬度をモース硬度と言います。「硬度」とだけ示されている場合、大抵このモース硬度を指します。
8.靭性(じんせい)
割れやすいかどうか、衝撃に対する強さ・耐久性を表す値です。数値化されている場合と、単に高い・低いといった表現だけの場合があります。宝石によっては情報がないこともあります。
硬度は擦り合わせる、靭性は叩きつけるといった感じです。
9.劈開(へきかい)
特定の方向に割れやすい性質のことです。劈開がある宝石は、力の加わる箇所によってはあっさりと割れてしまいます。薪割りの木材のようなイメージです。
劈開がある場合は「完全」または「明瞭」などと記載されます。
10.重量【ct(カラット)】
ct(カラット)は宝石の重量の単位です。1ctは0.2gです。
11.結晶系
結晶とは、原子や分子が規則正しく配列している状態の物質のことです。結晶系とは結晶を分類したもので、宝石の結晶系は大抵6種類に分けられます。
等軸晶系、正方晶系、六方晶系、斜方晶系、単斜晶系、三斜晶系があります。
宝石は色んな観点から楽しむことができます。
少しでも興味を持って頂けたら嬉しく思います。