ルビーはスピネルだった?間違えられやすい宝石スピネルについて
こんにちは。
今回ご紹介する宝石は、スピネルです。
スピネル(Spinel)
和名 尖晶石(せんしょうせき)
鉱物名 スピネル
硬度 7.5-8
靭性 -
劈開 なし
色 青、赤、ピンクなど
産地 スリランカ、タンザニア、ミャンマーなど
スピネルは優秀な宝石
スピネルはとても優秀な宝石です。丈夫でカラーバリエーションが豊富、独特な結晶の形も持ち、様々な観点から楽しませてくれます。
上のデータにある硬度は、擦り合わせた時に傷がつきやすいかどうかを表す値です。一般に硬度は7以上あれば問題ないと言われる為、クリアしています。因みに最高値はダイヤモンドの10です。
その下の靭性(じんせい)とは、割れやすいかどうかの指標です。衝撃に対する強さをここで見ます。この靭性は数値が明記されていない宝石も多く、スピネルのはっきりした値は分かりませんでした。しかしスピネルに対する脆さの情報は殆どなく、靭性は良好であるとの評価が一般的なようです。
更にその下の劈開(へきかい)とは、特定の方向に割れやすい性質のことです。さけるチーズ、または薪割りの木材のような感じです。劈開がある宝石は、力の加わる箇所によってはあっさりと割れてしまうのです。
でもスピネルにはこの劈開がないので、そういった心配もありません。宝石はジュエリーとして扱われることが殆どですから、特筆すべき弱点のないスピネルは、宝石として素晴らしい石なんですね。
スピネルの美しさ
スピネルの色は沢山あるのですが、人気が高いのはコバルトスピネル、レッドスピネル、ホットピンクスピネル辺りです。
コバルトスピネルは、目の覚めるような青色が美しいブルースピネルです。ブルースピネルの中でコバルトを含有している場合、コバルトスピネルと呼ばれます。このコバルトが鮮やかな青色の原因と言われています。
通常のブルースピネルは、鉄によって青い発色をしています。これは鉄とチタンにより青く輝くサファイアとよく似ていて、ブルースピネルは昔からよくサファイアに間違えられています。
レッドスピネルはその名の通り、ルビーのように真っ赤なスピネルです。大変美しく、まさにルビーのようです。そしてこちらも、昔からよくルビーに間違えられてきました。
この件での有名なお話に、「黒太子のルビー」というものがあります。もの凄く簡単に言うと、英国にある王冠に大きなレッドスピネルがついているのですが、これがずっとルビーだと思われていたというお話です。
レッドスピネルとルビーの見分け方
レッドスピネルとルビーを見た目で判断するには、宝石に光を当てて動かしてみます。ある角度で、オレンジがかった赤と紫がかった赤の二色が見えたら、それはルビーです。レッドスピネルはどこから見ても同じ色です。
これはそれぞれの鉱物の性質によるものです。
スピネルの知名度
ルビーやサファイアは、色や美しさを広く知られている宝石です。それらにしょっちゅう間違えられるほど、スピネルは美しいということですね。
しかし間違えられる対象が世界四大宝石のルビーとサファイアだった為、スピネルの知名度と価値は長い間とても低かったのです。
現在は人気上昇の一途です。鉱物標本として、スピネル式双晶と呼ばれる特徴的な結晶なども好まれています。
スピネル式双晶とは、三角形の板が重なり合っているような見た目の結晶です。
スピネルの意味(石言葉)
スピネルの意味(石言葉)を、厳選して三つご紹介します。
・勝負運
・自己実現
・免疫力
終わりに
実はずっと優等生だったスピネル。
少しでも興味を持って頂けたら嬉しく思います。