ちょこっと発見、宝石の話

色々な宝石をご紹介しているブログです。宝石について何かちょこっとでも発見していって頂けたら嬉しいです。

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色が変わる不思議な宝石ハックマナイトについて 宝石観賞は科学の時間!

こんにちは。
今回ご紹介する宝石は、ハックマナイトです。

 

ハックマナイト

 

ハックマナイト(Hackmanite)
和名 ハックマン石(はっくまんせき)
鉱物名 ソーダライト
硬度 5.5-6
靭性 -
劈開 明瞭
色 白、青、紫など
産地 ロシア、ミャンマーアフガニスタンなど

 

 

ハックマナイトを観察してみよう

ハックマナイトは、遊び心あふれる楽しい宝石です。ハックマナイトを一躍有名にしているのは、テネブレッセンス効果と呼ばれる現象です。

 

テネブレッセンス効果とは、紫外線を当てると色が変化し、その後元の色に戻っていく現象のことです。この時、紫外線を当てた際は色がすぐに変化しますが、その後の色の戻り方は少しずつゆっくりです。その為、色が元に戻っていく様子をじっくり観察することができます。このテネブレッセンス効果は、何度でも楽しめます。しかし色の戻り方がゆっくりなので、個体によっては次回までしばらく待つ必要があります。カラーチェンジ効果と違い、すぐに連続して観察はできないんですね。

 

※カラーチェンジ効果とは、蛍光灯の下では青色系、白熱灯の下では赤色系の色に変わる現象のことです。

 

色の変化は一般に、不透明~半透明の個体の方がはっきりと見られます。ハックマナイトは白色ベースの半透明のものが多く、大抵はテネブレッセンス効果が期待通り現れます。こうした効果を観察して楽しめることもあり、ハックマナイトは宝石としてより、鉱物としての方が知名度が高いです。

 

透明なハックマナイト

しかし稀にすっきりと透明なものも産出します。その場合、テネブレッセンス効果はあまり顕著ではありません。薄っすら変化したという印象であることが多い為、劇変する様子を求める際には不向きです。

 

また、あまりに変化が弱いと、鑑別においてハックマナイトの判定が受けられないかもしれません。ハックマナイトとは、ソーダライトという鉱物の変種です。テネブレッセンス効果が著しいソーダライトに、ハックマナイトという宝石名がつきます。鑑別とは、宝石の種類を調べることです。ハックマナイトとならなかった場合、鑑別書の宝石名にはソーダライトと記載されます。

 

クリアなハックマナイトは美しく、文句なしの宝石です。透明度が高いルースでは、元々の色が青~紫くらいのものが多いようです。ソーダライトの透明石が貴重な中で、更にテネブレッセンス効果があるハックマナイトの透明石は、レア中のレアとなっています。

 

ハックマナイトの由来と産地

ハックマナイトの最初の発見は19世紀末頃、ロシアのコラ半島でした。名前は発見者であるフィンランドの岩石学者、ビクトル・アクセル・ハックマン(Victor Axel Hackman)に因んでいます。ハックマン石って和名、かっこよくて好きです。

 

ミャンマー産のハックマナイトは、テネブレッセンス効果が分かりやすいものが多いです。大抵が半透明の個体で、色の変化がはっきりと現れて感動します。透明なハックマナイトは、アフガニスタン産をよく見かけます。インクルージョン(内包物)が多少気になりますが、透明度は十分にあり、綺麗なものが多いです。

 

ハックマナイト

 

ハックマナイトの意味(石言葉)

ハックマナイトの意味(石言葉)を、厳選して三つご紹介します。

 

・適応
・喜び
・自由

 

終わりに

科学が楽しくなるハックマナイト。
少しでも興味を持って頂けたら嬉しく思います。