ちょこっと発見、宝石の話

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間違えられやすい宝石フェナカイトは水晶に似てる?

こんにちは。
今回ご紹介する宝石は、フェナカイトです。

 

フェナカイト

 

フェナカイト(Phenakite)
和名 フェナス石(ふぇなすせき)
鉱物名 フェナカイト
硬度 7.5-8
靭性 -
劈開 なし
色 無色
産地 ブラジル、ロシア、マダガスカルミャンマーなど

 

 

フェナカイトの由来

フェナカイトは無色透明の水晶のような宝石です。名前の由来は無色透明で水晶と見間違えられた為、ギリシャ語で「騙す」という意味の言葉から付けられました。何だか可哀想な命名ですが、フェナカイトは透明度が高くて美しい宝石です。そしてやっぱり、水晶に似ています。

 

フェナカイトが最初に発見されたのは、ロシア(ウラル山脈)のエメラルド鉱山です。この鉱山は名前の通り、エメラルドが産出する場所です。ロシア・ウラル産のエメラルドはとても有名です。ウラルのエメラルド鉱山では他にも、アレキサンドライトなどが産出しています。宝石が沢山採れるところなんですね。羨ましいです。

フェナカイトは1883年、この鉱山で初めて記載されました。

 

エメラルドについてはこちらの記事もどうぞ

緑の女王エメラルドは傷つきやすい その理由と取説もご紹介

 

フェナカイトの特徴

フェナカイトはとても透き通っていて美しい宝石です。ルースの場合は透明度の高いものが多く、すっきりとしています。内包物があってもあまり気になりません。よく反射するように細かくカットが入っていることも多いですね。キラキラしています。

 

原石の状態でもその透明さが水晶によく似ていて、間違えられるのも頷けます。フェナカイトは岐阜県でも見つかっているそうですが、あまり詳しい情報はありません。もの凄く小さい結晶がほんの少し発見される程度、という感じのようです。とは言え、国内でフェナカイトが産出するなんて凄いですね。

 

因みに日本産宝石の有名どころは、水晶やトパーズ、翡翠、ロードクロサイト、レインボーガーネットなどです。書き出してみると結構ありました。国産はやはり浪漫があります。

 

フェナカイトと水晶の見分け方

フェナカイトと水晶の見分け方は輝きです。宝石のデータでよくある項目に、屈折率というものがあります。空気中から宝石内部に入った光が内部で折れ曲がることを屈折と言い、その屈折の程度を表す値を屈折率と言います。この値が高い宝石ほどキラキラとよく輝くのですが、フェナカイトは1.65-1.67、水晶は1.54-1.55となっています。フェナカイトの方が屈折率が高いですね。なので、水晶よりもフェナカイトの方が輝きが強いことになります。

 

宝石のデータ項目についてはこちらの記事をどうぞ

よくある宝石のデータ項目の解説 - ちょこっと発見、宝石の話

 

姿の似た宝石が並んでいる場合、こうした輝き方の違いは判別に役立ちます。フェナカイトはトパーズにも間違えられることがありますが、トパーズの屈折率は1.619-1.627ですので、やはりフェナカイトの方がよく輝きます。

因みに屈折率の高さで有名なのはダイヤモンドで、値は2.42です。ダイヤモンドって本当に凄いですね。

 

水晶によく間違えられるとはいえ、フェナカイトは水晶のように産出が多くありません。むしろとても少なく、レアストーンのカテゴリーに入る宝石です。発見場所のロシア産が人気ですが、ロシア産は滅多に見かけません。大体がミャンマーマダガスカル、ブラジル産です。

 

フェナカイト

 

フェナカイトの取説

フェナカイトは硬度も高く劈開(へきかい)もない為、ジュエリー加工に向いています。硬度は擦り合わせた時に傷がつきやすいかどうかを見る値で、劈開は特定の方向に割れやすい性質のことです。水や紫外線も大丈夫ですし、日常使いで特別注意することはありません。扱いやすいところも、水晶やトパーズに似ていますね。

 

フェナカイトの意味(石言葉)

フェナカイトの意味(石言葉)を、厳選して三つご紹介します。

 

・癒し
・覚醒
・幸運

 

終わりに

美しさは折り紙付きのフェナカイト。
少しでも興味を持って頂けたら嬉しく思います。