新進気鋭のコバルトブルーが光る スピネル族のガーナイトについて
こんにちは。
今回ご紹介する宝石は、ガーナイトです。
ガーナイト(Gahnite)
和名 亜鉛尖晶石(あえんせんしょうせき)
鉱物名 スピネル
硬度 7.5-8
靭性 -
劈開 なし
色 濃緑、青など
産地 ブラジル、ナイジェリアなど
ガーナイトはスピネル族
ガーナイトはスピネルグループの希少宝石です。ジンクスピネルとも呼ばれています。ジンク(zinc)とは亜鉛のことで、通常のスピネルに含まれるマグネシウムが、亜鉛に置き換わったものをガーナイトと言います。
一般に宝石として並んでいるスピネルは、殆どがマグネシウムを含むマグネシアスピネルになります。これは透明で美しい宝石質のスピネルが、ほぼマグネシアスピネルだからです。グループ内の他の鉱物には、宝石として扱われるような宝石質のものが中々ありません。なので宝石においてはマグネシアスピネルが通常の、スタンダードなスピネルになるんですね。
その一般的なスピネルの化学組成が、MgAl2O4
亜鉛スピネルであるガーナイトの化学組成が、ZnAl2O4
ガーナイトは、スピネルのマグネシウム(Mg)が亜鉛(Zn)に置き換わっているのが分かります。
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コバルトガーナイト
ガーナイトの色は大抵がとても濃い緑です。濃すぎて透明さが分かり辛かったり、黒っぽく見えたり、ちょっと地味な印象です。しかしそんなガーナイトにコバルトが含まれると、鮮やかな青色を見せてくれるようになります。明るく輝くコバルトブルーはとても美しいです。
コバルトの含有により鮮やかな青を発する宝石と言えば、コバルトスピネルが有名です。通常のブルースピネルにコバルトが含まれていると、コバルトスピネルと呼ばれます。流石は同じスピネルグループと言った感じで、ガーナイトもコバルトを含むことによって美しい青色が生まれます。
ただスピネルもガーナイトもコバルトを含有しているものは少なく、レアストーンになっています。特にコバルトガーナイトは滅多に見かけません。
コバルト含有の判別
コバルトを含有しているかどうかは、鑑別書またはソーティング(簡易な鑑別メモ)を見ます。鑑別とは宝石の種類を調べることです。宝石鑑別機関に依頼すると、それがどんな宝石であるかを調べてくれます。お店でなく個人でも依頼できます。
コバルトを含むスピネルやガーナイトの場合、鑑別書に「コバルトバンドを認む」というコメントが入れられます。標準的にはこの記載は省略されるようなので、鑑別依頼をする時は、コバルトを含有していたら記載がほしい旨を伝えてください。お店で売られているものであれば、鑑別書に「コバルトバンドを認む」のコメントがあるかどうか確認してください。コバルトスピネルやコバルトガーナイトは希少で人気も高い為、コバルト含有というセールスポイントの証明として、鑑別書またはソーティングが添えられていることが多いと思います。
ガーナイトの産地
ガーナイトは1807年にスウェーデンで発見されました。よくある緑色のものはブラジル産が多いです。発見場所のスウェーデン産はあまり見かけません。コバルトガーナイトはまだ新しい種類です。発見されたのはナイジェリアで、流通しているのは殆どがナイジェリア産です。小さめサイズが多いですが、コバルトブルーが鮮やかなので小さくても煌めきます。
ガーナイトの意味(石言葉)
ガーナイトの意味(石言葉)を、厳選して三つご紹介します。
・才能
・平静
・免疫力
終わりに
スピネル族は伊達じゃないガーナイト。
少しでも興味を持って頂けたら嬉しく思います。
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